Le Vin Naturel de Domaine Sogga(仮名)のシャルドネとピノノワールが5月発売。(メルロやカベルネソーヴィニヨンは冬以降発売予定)
無化学農薬栽培Culture Biologique(1年目)でムラサキ第一農場のメルロ、カベルネソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノノワール、シラーを作りました。「日本で欧州葡萄のビオロジックは無理だ!」とワインメーカーや、葡萄生産農家、ソムリエの方々に言われ続けてきた今まで。実際、日本での無化学農薬栽培を諦めていた自分。「無理」と言われたのには理由があります。日本は高温多湿。そして梅雨と秋雨と雨期がある。日本で長い間育てられてきた甲州ブドウなどと違い、乾燥した大地である欧州生まれのワイン専用葡萄が日本では無理があると思われてきたからです。しかし、昨年の雹害により「なにかが吹っ切れ」て、今まで見えなかった何かが見えてきたのでした。この、無化学農薬栽培は闇雲に始めたのではありません。10年の歳月もの間、減農薬栽培、無施肥を試みてきた結果であるといえます。特にムラサキ第一の畑の葡萄は減農薬であっても自然の力に逆らうことなく葡萄を実らせることに気づきました。そこでこのワイン畑に白羽の矢がたったのです。完全無化学農薬栽培(culture biologique)は一年目ですが、そこまでに達するまで長い歳月を経てようやくたどり着いたと言えます。無化学農薬栽培(Culture Biologique)は日本でいう「有機栽培」となんら変わりません。ただ、有機栽培の名を使えるようにするには3年の時間と認証機関に登録料を払わねばなりません。そこで、無化学農薬栽培(Culture Biologique)と呼ぶようにしました。
無化学農薬栽培(Culture Biologique)の実際
1)使用した散布剤
1)硫黄ー石灰 合剤(散布日4/181回)
2)ボルドー液(硫酸銅ー石灰 合剤)(散布日6/1, 6/20, 7/11, 7/20, 8/10 計4回)
(この二つの薬は100年以上も昔から使われていた単純な構造のもの。葡萄の体内に浸透性能が無いため、雨風が吹くと流されて効果がなくなる。硫黄、銅、石灰は地球上に存在する物質であることと、残効性が無いため安心な薬として、有機農法やビオディナミなどに使用することを許されています)
2)使わない散布剤
1)除草剤
2)殺虫剤
3)現代殺菌剤
3種(除草剤、殺虫剤、現代殺菌剤)とも有機化学合成農薬。主に浸透性能に優れ、葡萄の体に入り効果を表す農薬。使用回数、使用期間、使用量を守れば問題ないと言われています。しかしながら、雑誌や書籍にて安全面で問題になっている現代農薬は決して少なくありません。
1)1年目でVin Naturelなんて言うのはおかしい!
その苦情を素直に受け止めます。日本でピノやシャルドネで無化学農薬栽培(Culture Biologique)を3年行っている栽培家はいないからです。ですのでなんとしても、頑張った葡萄たちを皆さんにほめてほしいという気持ちと、「日本でも無化学農薬栽培(Culture Biologique)が出来るんだ」ということを内外の皆さんに知っていただきたいと思ったからです。私たちの成功により日本の醸造栽培家が無化学農薬栽培(Culture Biologique)に興味を持ち始め、さらに多くの日本ワインが無化学農薬栽培(Culture Biologique)に取り組まれることを希望しますし、そのための小布施の持つ、データやテクニック開示などは積極的に行っていきます。またこのような特殊な純国産ワインの販売には多くのお客様そして酒販店、レストランの皆様の支えが必要となります。このような純国産ワインの草の根的な活動をおこない、消費につながらなければ新たな作り手の誕生につながりません。なので敢えて、今年発表しました。「気球に優しいこと」は一刻も早く多くの人に行ってもらった方がよいと考えています。
小布施のVin Naturelは健康に良いのではなく地球に優しい、癒しのワインで在りたい
2)醸造におけるVin Naturel
結論から申し上げますと、醸造におけるvin naturelは意識していません。私たちの考えるvin naturelは「地球にやさしい」ことが一番でありたい。醸造は確かに重要なワイン作りのファクターであることは間違いないのですが、やはり「栽培における私たちの思想」、それがワインに反映されるものであるべきだと考えます。日本では醸造学の発達により消費者も「無添加」「天然酵母、自然酵母」というキャッチーなフレーズに健康面の安心感を覚えるようです。それに便乗してか「無添加ワイン」とか「有機栽培ワイン」の市場は「追い風」と聞きます。斯く言う私も、「サンスーフル(亜硫酸無添加)、ルヴューソヴァージュ(自然酵母)」を作ってきました。が、上のような便乗ワインと一線を画し、「身体に沁みいる味わいを求めて」という意味でスタンスをおき、フランス語のサンスーフルやルヴューソヴァージュ等と言ってきました。その私も最近は「vin naurel」を更に深く追求し続けて、葡萄を無化学農薬栽培(Culture Biologique)にせず、「サンスーフル、ルヴューソヴァージュ」だけに固執するのはナンセンスと感じるようになってきたのでした。私には、味わいとして「身体に沁みいる味わい」に感じる「サンスーフル、自然酵母」は今後もさらに品質向上をめざせるように続けていく必要があると思いますが、本質をもっと追求したものを増やしていきたいとおもいます。ですので、今回はすべての小布施のvin naturelには亜硫酸が必要最小限加えられています。また、シャルドネ、メルロ、カベルネソーヴィニヨンは天然酵母ですが、ピノノワール、シラーは培養酵母を使用しています。
3)自然派ワイン嫌い
自然派ワイン(vin naturel)と呼ばれる 一部のヨーロッパワインには一般の方に好まれない味や香り(揮発酸、フェノレ)があります。これの多くは天然酵母の醸造に起因する物であります。ただ、残念なことに無化学農薬栽培(Culture Biologique)でぶどうを作ったから出る味になると思われてしまっているところがあります。これはとても残念なことであります。私たちは日本で殆ど行われていない無化学農薬栽培(Culture Biologique)だからこそ、なるべく欠点のないワインを作らねばならないと考えています。そうしないと同業者から「小布施ワイナリーが無化学農薬栽培(Culture Biologique)であんな不味いワインを作っているから俺たちは無化学農薬栽培(Culture Biologique)をやらない」と言われてしまうかもしれないからです。「小布施でも無化学農薬栽培(Culture Biologique)でまともに葡萄が採れ、まあまあのワインができるんだから、俺たちはもっと良いワインを無化学農薬栽培(Culture Biologique)で作れるはず」、と思ってもらえるようなワインを作らねばらならない重責を背負う覚悟です。一つだけ忘れてはならないことは、「純粋培養酵母で計算して出すことの出来ない香味」は必ずあり、それがワインの味わいに「少々」含まれることは、「生き物としての人間が潜在的に持つ官能的な感覚」を呼び覚まし、心も体も癒してくれます。その意味においても小布施が天然酵母を使用した意味はワインを飲んでいただければ解ると思います。
4)補糖、補酸
ワインには酸や糖分が足りない場合、糖や酸を足します。しかし、小布施の無化学農薬栽培(Culture Biologique)のシャルドネ、メルロ、カベルネソーヴィニヨンは葡萄の力を信じ、無補糖、無補酸です。
5)ビオディナミ(バイオダイナミック)とビオロジック無化学農薬栽培(Culture Biologique)
世界の自然派ワイン(vin naturel)には様々なモノがあります。ビオロジックは有機栽培、そしてビオディナミはルドルフシュタイナーの提唱した農法(生力学農法)(詳しくは栃木の山甚酒店の大橋健一さんが執筆している名著「自然派ワイン(柴田書店)」をご覧ください)。私たちが無化学農薬栽培(CultureBiologique)を選んだ理由はまだ日本でのビオディナミ農法が確立されてなく、情報がヨーロッパから伝わるのみで、「月の動きや調合剤」のことで私は頭がいっぱいになり「葡萄と対話する」本質が見えなくなってしまうと感じたからです。しかしながら、ルドルフシュタイナーの述べていることは決して間違っているとは考えていません。かつて、古き良き日本で行われていた農法の一つであると考えます。シュタイナー教育が日本でも昔の親が普通に教育していたことと同じであるように。ですので現在も熊本の「ぽっこわぱ」さんや東京の「おもちゃ箱」さんから様々な情報を分けていただき勉強している最中です。
先日、ある雑誌の紹介で小布施の一部の農法を「「ビオディナミ農法」と書かれていたことに、ホームぺージにて反論したのですが、「何故そんなにムキになるんだ」と思われた方が多かったと思います。それは日本で多くの情報もない中でビオディナミをチャレンジする金井醸造さんや一宮の小山田さん、タケダワイナリーの岸平さんにたいして失礼ではないかと思ったからです。
Le Vin Naturel de Domaine Sogga(TYYA) Chardonnay Culture Biologique 2006 ¥3●●●-(税込み)
ビオ1年目 シャルドネ(白)/ ル・ヴァン・ナチュレル・ド・ドメイヌ・ソガ(TYYA)
完全無化学農薬栽培(Culture Biologique)で育てたシャルドネを9月中旬に収穫し、ワインをつくりました。収穫数日前、一部のシャルドネを農場から採ってきて、それを潰しながらしっかり滅菌した容器の中に皮ごと入れます。およそ3〜4日で泡らしきものが出てきて天然酵母による発酵が始まります。赤ワインのように皮ごと入れて発酵を始めるのは皮に付いている農場の自然酵母を増やすためです。そのためワインには若干皮由来の苦みがありますがこれもこのワインの特徴です。発酵が始まると樽に移して樽発酵を促しました。ブルゴーニュのフレデリックコサールさん、ロワールのクロードクルトワさん、ティエリーピュズラさん、イタリアのアンジェリーノマウレさん、ローヌのジャン・ダールさんなどに強く影響をうけたワインです。樽熟成5ヶ月。天然酵母発酵。無補糖、無補酸。
Le Vin Naturel de Domaine Sogga(TYYA) pinot Noir Culture Biologique 2006 ¥4●●●-(税込み)
ビオ1年目 ピノノワール(赤)/ ル・ヴァン・ナチュレル・ド・ドメイヌ・ソガ(TYYA)
無化学農薬栽培(Culture Biologique)で育てたピノノワールを9月中旬に収穫し、ワインをつくりました。9月に思い切ったグリーンハーベストを行い、実を半分に落としました。その後、実の周りの葉を摘葉し、光をより実に当てやすい状態にして収穫を迎えました。実を落としすぎて樽が1つにならなかったため、10%程の減農薬栽培のピノノワールを樽に補充しています。まだマロラクティック発酵の残りの味が残るため、出来ましたら2008年の夏以降にお飲みください。樽熟成も敢えて古樽で行っているため、決して濃くなく、身体に沁みいる味わいの赤です。アルザスのシュレールさん、ロワールのマークアンジェリさん、ジュラのピエール オヴェルノワさんラングドックのルイジュリアンさんなどに強く影響をうけたワインの一つです。おそらく、日本では初のピノノワールのビオロジック無化学農薬栽培(Culture Biologique)(一年目)ワインです。